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日本基督教団 札幌北光教会 日曜礼拝 木曜礼拝 牧師/指方信平、指方愛子

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■これほどの信仰を見たことがない
百人隊長の部下が瀕死の病となった時、ユダヤ人の長老たちは非常に協力的に行動しました。長老たちは主イエスに対し「あの方はそうしていただくのに相応しい人です」(4節)「わたしたちユダヤ人を愛して、自ら会堂を建ててくれた」(5節)と熱心に病の癒しを願いました。彼らの願いを聞き入れた主イエスは、百人隊長のもとへ向かいました。彼が支配者側の人間であること、また異邦人であることは問題ではありませんでした。キリストの福音は、人種や立場といった障壁も乗り越えていく風のような自由な福音であるということがここに物語られています。
ところが、このことに動揺した百人隊長は、使いの者を通して主イエスに言いました。「主よ、ご足労には及びません。わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。ですから、わたしの方からお伺いするのさえ相応しくないと思いました」(6節)。一転して、「どうか来ないでください」とお願いしたのです。それは自分が異邦人であり、また支配者側の人間だからという理由ではありません。彼は自分とイエスとの間に、決定的な隔てが存在することを畏れをもって感じたのです。すなわち、「神」と「人間」という隔てです。自分のようなものが主イエスに近づく資格もなければ、ここに来て頂くことなどありえない、と。この態度に対する主イエスの言葉が記されています。「イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない」。

■愛への畏れ
百人隊長の信仰とは如何なるものだったでしょうか。一つは、主イエスに対する「畏れ」です。しばしば「教会は敷居が高い」と言われます。それはある意味において当たっています。すなわち神と人間という関係を考える時、その隔ては到底乗り越えられないほど高いものでしょう。決して人がそれを「バリアフリー」にはできない。しかし、だからこそ知って欲しいことがあります。その決して越えられない隔てを神の方から乗り越えてきてくださったということ、神の方から私の人生に飛び込んできて下さったという福音です。イエス・キリストは、この世が「来て下さい」と願ったから来て下さったのでもなければ、この世が主をお迎えするのに相応しい状態であったからでもありません。この世は主を迎える何の用意もしていなかったのです。その象徴が、あの「飼い葉桶」でしょう。そこにこそ、神が隔てを越えて、この世の罪の現実の只中に、絶望の只中にやって来られ、私たちと同じ一人の人間としてその痛み、孤独、不安を共に生きて下さったという福音が示されています。私たちがまことに畏れるべきは、決して越えられない一線を越えて下さった主の愛です。

■み言葉をください
百人隊長は、主イエスに対する畏れを抱きつつ、それでも「ひと言おっしゃってください」(7節)と願いました。決して遠慮がちにではなく、主の憐れみ、主の力を信じる真剣な大胆な求めです。百人隊長にとってその言葉というのは、もうイエス・キリストご自身に等しかったのです。彼は百人隊長です。100人の部下に対して「行け」「来い」命令すれば、部下たちはその命を賭して命令に従うのです。自分は発する言葉は、百人の部下の命を左右するほど重たいのです。自分のような者の言葉がそのような重さをもって人を動かすことができるのだとすれば、主イエスの言葉はなんと重要であるか、そう考えたことでしょう。彼は、主イエスの言葉こそ本当に権威あるものとして信頼し、これに従う姿勢を示した、数多くの言葉が溢れる世にあって、日に日に移り変わる言葉が満ちる世にあって、ただ主の言葉、そこに込められた愛と真実を信頼して生きようとする姿がありました。
「ただ一言おっしゃって下さい」「お語りください。僕は聞きます」(サムエル記上3:10)。「人はパンによってのみ生きるものではない、神の口からでる一つ一つの言葉によって生きる」。このことが教えられています。私たち、み言葉を聞くことなしに、それで「主などいない」と嘆き、全く失望することはおかしいのです。み言葉なしでも自分は問題なく生きられるではないかと考えるほど危うい傲慢はないのです。世には溢れるほど多くの言葉があり、それらは日々枯れ、散り、移り変わっていきますが、私たちは、羊飼いなる主の口から出る一つひとつの言葉によってこそ今日を生かされ、主が伴い、備えて下さる明日を見つめることができるのです。

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